夏.計画

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溶けてしまいそうな 真夏の日、 夏休みまであと一週間足らず 僕らはいつものように 放課後、教室にたまり 下らない事で会話を 繰り広げる。  ミーン、ミーン 蝉の声が五月蝿い そんな蝉の声を 誰かが切り裂いた。 「ねぇ、みんなで海いかない?」 声のした方に顔を向けると そこには太陽のように 輝かしい笑顔のひよりがいた。 僕らはひよりを見る。 ひよりの言葉に、 椅子の背もたれに 体の体重を全部預けていた 広斗が体を起こし、 金色の髪を輝かせて 言葉を発する。 「おっ、いいねぇ!!もう最後の夏休みだしな!!」 金髪が光に反射して眩しくて 僕は少し目を細めた。 次に言葉を発したのは 髪が肩ぐらいしかない少女、 「でもどこまで行くの? ここらへんに海なんてないし…」 不安そうな顔で 夏希はひよりを見る。 そんな夏希をよそに ひよりは満面の笑みで 夏希にウインクした 「ふっふー!!そこは大丈夫!!あたしのばあちゃんの家、田舎で海が近くにあるの!! ねぇ、優太はどう思う? てか行くでしょ?」 ひよりは急に、 僕に話をふってきた。 僕は助けを求めるように 周りを見る。 広斗はニヤニヤと笑って、 夏希は不安そうな顔で 俺を見ている。 一番頼りになりそうな 由紀と和也はこの場にはいない 僕は心でため息を吐いて 口を開く。 「ん~…、僕はここから出たことないし、みんなと思い出つくりたいし行きたいかな?」 軽く笑う。 ひよりはパアッと顔を明るくして 広斗と夏希の方に振り向いて言った 「ほらっ!!優太行きたいって!!! これはもう行くしかないよねっ!!!」 ガタンッ 椅子に座っていたひよりは 携帯を持って勢いよく立ち上がる。 .
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