絶体絶命

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「世の中、色んな奴が居るもんだね」 情報屋は 心のそこからそう思った 「そうね アナタみたいな人間がこの世に1人いる時点で終わってると思うけどね」 「ははは!! 酷いなぁ… ま、俺は俺だけでいいんだけど」 そして 情報屋の脳裏には 昨日の少女の顔が浮かぶ 「人が面白いのは“進化”し続けるからだ ならば、人以外なら何が面白いかと考えたら“存在”そのものなんだ ここまで俺を楽しませてくれるなんて…」 心のそこから 恍惚と微笑んだ 自分を楽しませてくれそうな駒が 直ぐ傍にいる 心が踊って仕方がない セルティの首を眺めながら 手に持っている写真を見つめる 「…気持ち悪い」 「君には言われたくないね」 ――月太刀朱里。俺はやっぱり君が好きだ 「ああ、早く逢いたいなぁっ」 「気持ち悪いぐらい執着しているのね」 「君の弟への愛よりマシじゃないかな」 「私のは本物よ 貴方のようにひねくれてはいないわ」 「いいや、君のは十分ひねくれてるから」 「…さっき言ってた月太刀?だったかしら アナタの特別な駒なのかしら?」 「ああ、 さしずめクイーンってとこかな?」 「クイーン?」 「だけど、朱里がクイーンだと 俺はキングにはなれない」 「へぇ、」 「実際、俺は朱里に利用されていた」 助手は吃驚したように目を見開き 微笑んだ 「アナタでも、勝てないの?」 「無理だ 首無しライダーでも 静ちゃんでも敵わない」 深く椅子にかけ空を見上げた 吸血鬼と過ごしてきた 学園生活を思い返す 「少なくとも… 俺は本気だったんだけど」 自然と溜め息がでた
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