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月太刀朱里は
特に目立つこともなく
言わば
普通の女だ
しかし、独特の雰囲気があった
留学生…ということもあったのか
誰も近寄らせない
誰も気にかけない
月太刀朱里は“1人”だった
「私は―…」
“化け物だ”
そう自傷気味に笑みを浮かべた
儚げに
切なげに
「普通じゃないことはわかったよ」
ジンジンと痛み出す傷口
「痛いか」
「そりゃあ、ねぇ」
「明日には治る」
「ハハッ、参ったな本当」
「折原…血を吸われたというのに冷静過ぎないか」
「まぁ…慣れてるからね
化け物経路は…」
あはは、と笑いながら近づく
「そうか…」
「君は、夜な夜なそうして襲っているのかい?」
「否、血はあまり飲まないようにしてる」
そう言って
彼女は俺の首筋を撫でる
「美味しかったんだ?」
「はい」
君が、あまりにも嬉しそうに微笑むから
不覚にも
綺麗だ、なんて思ってしまった
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