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「アナタなんて大っ嫌いよ」
――誰だ、この女…
少女は首を傾げた
見覚えのない女に
いきなり嫌われた
それより、
女と絡まないように生きてきた私が
何故絡まれてるのか
まったく、不思議で仕方がない
「殺してやる」
しかも
殺意まで芽生えさせてる
どれだけ酷いことをしたんだ私は
「私、アナタに何かしました?」
「えぇ、私の彼を奪ったわ」
「…はぁ?」
「しらばっくれないで!!
いきなり別れてくれとか言われて…っ
後をつけたらアナタといたのよ!?」
…ああ
そうゆうこと
「アナタはストーカー?
それとも暇人?」
「うるさいっ!!」
カッターをとりだされる
――嗚呼、冗談じゃない
「ちょっと、男って誰のことよ」
「稲沢くんのことよ!!」
「ああ、拓海か
てことは彼女さん?
あー今は、元彼女さんと呼ぶべき?」
「っ…死ね!!」
ナイフを振り回しながらくる
後退りして気づいた
ここは屋上
さしずめ、こっから落として自殺とでも理由付けて
言いくるめるつもりか
「私は何もしてないわ」
「少なくとも私から彼を奪ったわ!!」
「それで…
悲劇のヒロインのつもり?」
「うるさい!!」
「私には喜劇に見えて仕方がないわ」
「うるさい!!うるさい!!うるさい!!」
こんな女に
切られるなんてごめんよ
「…そういって自分が一番可哀想とか思っていなさいよ
だけど、そうするたび
アナタは大切なものを
失うことになる」
そういって
私は飛び降りた
痛いだろうな
呑気にそんなことを考えながら
狂愛…か
本当、馬鹿馬鹿しい
ふと目をあけると赤い
自販機。
――――しまった
――――――――――――
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