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うつぶせで顔だけを義人の方に向けていた俺の首元の髪を払う。ゆっくりと。
義人側にある肩のあたりが沈んだ?とうっすら目を開けたとき。
「んっ…。」
義人の唇が首筋に触れて、ちゅっちゅっと可愛いらしい音が間近で聞こえる。
舌と共に熱い吐息がかかって、やっと俺は思い出した。
そーいや、昨日んなこと言ってたかもなー、なんて。
「義人…。」
「俺は…。」
とりあえず声をかけてみれば義人は顔を上げた。が。
なーんでそんな顔?
俺は…、っきり黙ってしまった義人に目を向けて先を促す。
少し躊躇った後、口を開く義人くん。えっ?それ、んな悩む?
「俺は、なんと呼べばいい?」
「……、青柳でも虎太郎でも、お好きにドーゾ?」
「では…、虎太郎。」
「なーに?」
ワンコか、こいつ。やたらと嬉しいそう(雰囲気だけ)な義人がベッドに乗り上げてこちらに向けて座る。
それに合わせて体を横向にして、腕を枕に義人に向き直った。
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