それでは始めましょう

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「実は虎太郎には嶺くんと同じ高校に行ってもらうことになった。」 「……は?」 「……マジ?」 親父の発言に眉を顰め聞き返す俺と、キラキラをした顔で聞き返す嶺。 予想通りの反応だったのか、親父は楽しそうに口角を上げ、話を続ける。 「美央さんがな、嶺くんを男子校にやるって連絡をくれてな。」 おいおい。何、息子ら抜きで連絡とってんだよ。いくらお隣さんで仲良しだからって…。 まだ美央さん諦めてなかったのかよ…。 なにを隠そう、親父は嶺の母親の美央さんに惚れてる。 美央さんは若くして旦那さんを亡くし、一人で嶺を育ててきたわけだ。 俺の親父も早くに妻、つまり俺の母親だな。を亡くしてるから、ありっちゃありなんだ。 が!物事そんなうまくはいかない。俺の親父は所謂ヤクザ、極道の長。組長だな。 そんなとこに嫁に入ったら、美央さんは今の作家の仕事を辞めて極妻として忙しい毎日を送らないといけないわけ。 だから、いくら親父が攻めても落ちないわけで…。 だけど、そこに転機が!美央さん以外の女は抱かない。とか言いだした親父が男に手を出し始めて、それが何故か美央さんに知られ、……うん。なんか分かるだろ? .
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