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息子の俺としてはゲンナリな状況も美央さんにはオイシイらしくて、それから親父と美央さんの距離は急接近。
だからって美央さんが親父に惚れたとかではないみたいだけど。
そう考えるとちょっと可哀そうなだな、親父って。
と、過去にトリップしていた脳を現実へと引きもどす。嫌々だがな。
親父が言うには、嶺を男子校に入学させると聞いて、それじゃ嶺が危ないと思ったらしい。
まぁ嶺は可愛い顔してるし?そこらの女よかは。身長も俺よりちょっと低いくらいだし。危ないっちゃ危ないわな。
で、親父は俺を一緒に入学させて、嶺を守らせようなんて勝手に決めちゃったんだと。
ゴーイングマイウェイな親父にもう何も言うまい。何か言ったところで余計疲れることは息子の俺が一番よく知ってるからな。
「でも俺、試験とか受けてないぜ?」
「あぁ。だから来てるんだ。明日受けてこい。」
「………。」
さいですか。受けれるなら受けてやろーじゃねーか。と半ば自棄を起こしている俺は親父に文句を言うこともなく了承。
どうして今更入試が受けられるんだなんて、聞くだけ無駄だろう。
どうせ組の繋がりでの知り合いにでも話通してもらったんだろうよ。
なんたって関東一デカイ組らしいからな、俺んちって。
そして次の日、嶺と親父の期待を一身に背負って試験を受けに行った。
もちろん合格したけどよ。俺、頭いいし。嶺と同じくらい。いつもいいライバルだ。
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