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「朝からずっと雨が降っていてね、でも会いたかったの。
外でしか会えないから雨は致命的。でも、どうしても会いたくて理由が欲しかった。
七夕だから、とかこじつけないと誘うのも躊躇うなんてかわいかったなあ。」
僕の狭いベッドの上に僕の白いTシャツを着て寝転がり、10年前の記憶を話す10年後の君のほうこそ、かわいいと思うよ。
なんて言えてしまったらいいのにな。
今夜はとても暑い。
『暑いけど無性にラーメンが食べたい』
というメールを受信して、僕らは待ち合わせた。
彼女はひとりでラーメン屋に入れない。
ラーメンを食べ終えて、当たり前のように僕のアパートに向かう。
途中のコンビニで二人分の飲み物と二人分の煙草を買うのも、いつもの通り忘れずに。
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