きらきら星

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秋本の25年の人生で僕が知っているのはそのうちの、たかが2年弱だ。 だけど彼女が彼女の置かれた環境の中でその都度、真ん中のあたりで生きてきた類の人間であることは想像できる。 人付き合いがすごく上手いタイプではないが、何か周りを惹き付けるものを持っているし、女の子らしい愛嬌もある。 見た目も並以上にかわいい部類に入るだろう。 おしゃれだし。 恋愛一歩手前の贔屓目でそう思うわけじゃなく、これらは確か。 男にもきっとモテてきた、そういう雰囲気。 普段はどちらかというと男みたいな性格で、時々僕も男友達と一緒にいるような感覚になるほど。 だけど今みたいにキラキラのスイッチが入ることがあって、そんな時は本当にかわいい女の子で、『奇跡』っていう単語が大好きで。 今度の奇跡はなんだろう。 気になって仕方ないのに、食付き過ぎるのはなんとなく悔しいから、僕は彼女の腕の中で改めて目を閉じるキジトラの猫に視線を向ける。    
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