◆~親友~後編◆

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「俺さぁ……お前に出会えて……嬉しかったんだ……初めての友達が……煉だったんだ……俺は……小心者で……馬鹿で……図々しくて……それでもお前はさ……親友って言ってくれて……本当に……ごめん……許してもらおうとは……思わないから……せめて」 泰陽がそう言いかけた時だ。 煉は泰陽の右手を両手で力強く握った。 「泰陽、許すもなにも僕はこれっぽっちも怒ってないよ」 「…………?」 「僕も初めての親友が泰陽なんだ。話しかけるのが苦手で、受け身だった僕に泰陽が入学式の時に声をかけてくれたよね? あの時の笑顔は、撃たれたぐらいじゃ消えやしない。絶対に。そして、これから何があっても僕は泰陽を信じる。それが親友ってもんでしょ?」 煉は泰陽に微笑みかけながらそう言った。 お互いが初めての友達を欲していた。 お互いが入学式の日に変わろうと思っていた。 だからこそ出会うことができた。 お互いに最高の親友を。 泰陽の両目から溢れんばかりに涙が流れる。 勿論嬉し涙だ。 その表情を見せるのが恥ずかしかったのか、泰陽は左手で自分の顔を覆う。 そして、泰陽も笑顔になった。 「へへ……んだよ……ちくしょう…… ……嬉しすぎて言葉になんねぇよ」
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