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「さぁ、ここが君の新しい部屋だ」
白衣に包まれ、眼鏡を掛けた白髪混じりの老人は4、5歳ぐらいで真っ白いワンピースを着た少女の肩に手を置きながらそう言った。
少女は腰程まである髪を揺らしながら部屋をぐるりと見渡すと、次に老人の顔を見上げる。
「真っ白だね」
「君に白以外の色は似合わないよ」
老人は少女にニコリと笑顔を向けそう言った。
少女の目の前に広がる新しい部屋と呼ばれるこの空間。
三十畳もの広さがあり、天井、壁、床が全て白で統一されている。
ぽつんと置かれたベッドと棚も真っ白だ。
そして唯一の出入り口であるドアも白。
ドアの上部の覗き窓には鉄格子がある。
まるで、新しい部屋で住み始める少女を監禁するかのように。
「トイレはどこ?」
「トイレ、食事、体調不良の時はドアの覗き窓から担当の人に言いなさい」
「うん、わかった」
無垢、いや無知という方が正しいのだろうか。
疑いを知らない少女は笑顔でそう答える。
そして、少女の胸元には丸いネームプレートがあるのだが、こう記されていた。
《B-001-RUI》
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