◇私のプロローグ◇

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老人は少女をその部屋に残し、ある一室へと向かう。 老人がドアを開けると、そこにはいくつもの画面が移るモニターがあり、それぞれの画面には隠しカメラを通して部屋の様子が写っている。 そして白衣を着た人達が世話しなく働いていた。 約20以上もの画面全てに先程の少女と同じ年頃の子供がいる。 どの部屋も真っ白で、ある一つの画面には、先程の少女が楽しそうにベッドでごろごろしている。 「たった今、B-001を収容してきた。他の子供に変化はあるかね?」 老人は近くで書類と戦っている青年にそう聞いた。 「いえ、今のところ変化はありません」 青年はそう答えると、老人はうんうんと頷き顎に手を当てる。 「この20人の子供達の中で、誰が私の研究を成功させてくれるのだろうか」 「そういえば、子供達はどこから連れて来たんですか?」 「孤児院からだ」 「孤児院から20人も……じゃあ、武器猫の数は足りますかね?」 「足りなくなる時……それは私の研究が成功する時だ」 老人は不気味な笑みを浮かべながらそう言った。
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