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しばらく経つと、床に下ろされたルイ。
しかし、目隠しは付けたままだ。
「これ外したい……」
ルイは欝陶しそうに目隠しの布に手をかけると、その手が何かの衝撃で弾かれた。
老人がビンタしたのだ。
「それを外してしまうと注射が見えてしまうけどいいのかい?」
「え?……注射?……嫌だ……嫌だ嫌だ!」
ルイは暴れ出すが、すぐに白衣を着た研究員達に取り押さえられる。
そして研究員達は老人に差し出すようにルイの右腕を固定した。
「注射嫌だー!」
「すぐに終わるからね」
老人の優しい声に反して、乱暴に注射をされたルイ。
右腕に針が刺すような痛みが伝わってくる。
「痛いー!」
必死に抵抗するが、研究員達も大人。
力が敵う筈がない。
そして、しばらくすると注射は終わりガーゼで刺した場所を押さえテープで固定する。
「ひっぐ……うぐ……」
ルイもまだ子供。
注射が痛かったのか、それとも怖かったのか泣いていた。
しかし、すぐに眠気が襲ってきてルイは瞼を閉じた。
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