◇私のプロローグ◇

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しばらくすると、ドアに近付いてくる足音が聞こえてきた。 「アミルダ……そこにいる?」 控えめにそう聞いてきたルイ。 無視する必要もない為、アミルダは答えてあげた。 「えぇ、いますよ」 アミルダがそう言うと、ドアに寄り掛かるような音が聞こえてきた。 ルイが体育座りをして、ドアに寄り掛かっているのだ。 「ねぇ、アミルダ……どうして私はここへ連れて来られたの?」 「……それは私には分かりません」 本当は分かっているのだが、実験体に機密事項は喋ってはいけないと上から口止めされていた。 「私、お家に帰りたい。ここ、ベットはふかふかじゃないし、真っ白だし、玩具も無いからつまらない。アミルダはつまらなくないの?」 「いえ、つまらなくないですよ」 「じゃあ、アミルダは何をしているの?」 そう聞かれたアミルダは、ふと右手に持つ小説に視線が向いた。 「小説を読んでますよ」 「……小説? 私も本が読みたいな」 実験体に情を持つな。 アミルダが一番強く言われている命令。 だからこそ、自分の発言が信じられなかった。 「難しいのでもよければ、貸してあげましょうか?」
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