◆~親友~後編◆

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一方、ベースシグレータ地下五階、所長室。 「《隠》《移》《画》……どいつもこいつも下らん属性しか覚えないな!!」 フィスタはそう言って苛立ちをぶつけるように書類を机に叩きつける。 そのフィスタの行動にビクリと体を震わす門白姉妹。 姉妹で最近属性具現を覚醒した隊員のリストをフィスタに提出したのだ。 勿論、戦力拡大の為。 「チッ! まだ見つからないのか、あの餓鬼共は!!」 「ま、まだです。みんなで探してるけどなかなか……」 亜華羽と魅子慈はフィスタに恐怖しながらもそう告げる。 「この基地をぶっ壊したいだと!? あんな餓鬼にいつでもできるような言い方を……許さん……絶対に……」 「じゃあ、私達はまた捜索に戻ります……」 「とっとと行け!! マイク、貴様もだぞ!!」 フィスタは、ソファーに寝そべりヘッドホンで音楽を聴いているマイクにそう怒鳴る。 しかし、聞こえていないようだ。 すると、マイクのパートナー、ラッパが代わりに答える。 「マイクは待ってんだYO!! 奴はもう一度来ると言ったオーケー!? つまり来るんだから探す必要はナッスィン!! アンダスタン!?」 「それでは私の気が収まらんのだ!!」 そう怒鳴るフィスタ。 門白姉妹はそろそろと部屋を出て行き、マイクは相変わらず寝ている。 フィスタはそんな様子を見て、苛立ちを隠せないままため息を吐いた。
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