◆~親友~後編◆

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そして、所長室から出て左側の部屋の資料室。 本棚に囲まれたこの部屋には孝地が資料を漁っていた。 机に詰まれた青いファイルにさらにファイルを重ねる孝地。 そして机に突っ伏し困ったように頭をガシガシと掻く。 「はぁ……駄目だ……」 「孝地……」 ため息を吐く孝地をカヅチは心配そうな表情で見る。 孝地が見ていたのはセイバーナイトのプロフィール。 勿論、属性具現を扱える人間は能力の詳細も書いてある。 「アミルダさんの言った通り、病気を治せそうな属性を持った奴がいねぇよ」 アミルダはいないと言ったが、それでも諦めずに探してみたもののやはりいない。 その時、部屋の扉が開かれ門白姉妹が入ってきた。 「桐宇さんか」 「?」 何故だかしょんぼりとしている姉妹。 亜華羽がフィスタが叩きつけた書類を孝地の前に置く。 「なんだこれ?」 「桐宇さんが見ているファイルに加えておいてください。後、今の所長には近づかない方がいいかも」 そう言い残し部屋を出て行く姉妹。 孝地は目の前にあるセイバーナイトの新たなプロフィールが書かれた書類を手に取る。 「へー……新しく属性具現を覚えた人達か……って……うん!?」 孝地の目はある属性に釘付けとなる。
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