3557人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、そんなベースシグレータが荒れている中、牢獄ではアミルダが壁に寄りかかり基地の騒がしさを感じていた。
「…………」
自分で負った太ももの傷はまだ完治していないが、動き回る程度ならできそうだと確信する。
「何かあったのですか?」
アミルダは思いきって、椅子に座っている見張り役のセイバーナイトの男性にそう尋ねる。
すると、意外にもセイバーナイトは答えてくれた。
「どうやら斎藤 煉とやらにいつでもこの基地をぶっ壊せるとかなんとか言われて、もう一度来ると言って何処かへと行ったらしい。所長がカンカンでね、俺やその他の雑用以外の隊員は休み無しで捜索をしているらしいんだ」
「……そんなことが」
アミルダはそう呟く。
男性は欠伸をすると見張り役でよかったと呟き一安心している。
アミルダは男性の話から出来事を推測する。
「和解を望んでいた斎藤君がぶっ壊す……確かにここまで歪んでしまっては、方法はそれしかないですね」
いくら煉でも一人でこの基地は落とせない。
けど、仲間がいるからそう強気に出たのでは?
ならば現在は仲間と出会うことに成功した。
そして、もう一度来ると言っている。
「その時の混乱に乗じて私も……」
アミルダは後ろに回してある両手にかけられた手錠に目をやる。
その手錠は既に刃物のような物で真っ二つになった跡があった。
つまり、もう自由は確保してあるのだ。
それを見てニヤリと笑みを浮かべたアミルダ。
最初のコメントを投稿しよう!