◆~親友~後編◆

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そして、ダークナイトの本拠地である天空に浮かぶ城。 城を支える浮かぶ大地には地下室が作られていた。 そこに地下室があることを知るのはダークナイトのリーダーである神童と《煉》だけである。 そして、利用しているのは《煉》のみだ 「…………」 暗い廊下を進んでいく《煉》。 左右には鉄格子で閉ざされた牢獄などがある。 突き当たりには鍵付きのドアがあり、《煉》はロングコートのポケットから鍵を取り出し鍵穴に差し込んだ。 すると、ガチャリという音が聞こえ《煉》はドアを開ける。 その部屋も牢獄だ。 ただし、10畳ぐらいの薄暗い部屋で壁一面に武器猫を閉じ込めている小さなクレーツが四段重ねでずらりと並んでいた。 「さてさて……姫岸夫妻は死んじまったからセイバーナイトで使える駒はもういない。まぁ、一時を凌ぐだけのクロウをくれたから役には立ったか」 《煉》はクレーツの中で暴れる武器猫に顔を近づける。 「シャアァァ!!」 牙剥き出しで突進してきた武器猫。 「おっと!」 《煉》は顔を咄嗟に遠ざけ武器猫は柵にぶつかってしまう。 「まぁまぁ、そう怒んなよ。ここにいるお前らは選ばれたんだぜ? 殺したりはしねぇから安心しろよ……だが、お前らの武器猫の魂は頂くけどな、ひゃはははは!!」 部屋に響く《煉》の笑い声。 拉致された武器猫達は恐怖の余り体を震わした。
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