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「…………」
ゆっくりと目を開ける。
最初に目に飛び込んできたのは材質は恐らく木である天井。
辺りを見渡せば家具がほとんど置いていない殺風景な部屋だと分かる。
ルイはようやく目を覚ました。
「ここ……どこ?」
ルイが首を傾げそう呟いた時、部屋のドアが開かれ誰かが入ってきた。
「おおー! 起きたか!」
「……セイン?」
セインは嬉しそうに駆け寄り、ルイの顔を両手で挟む。
「いやいや、久しぶりだな! 最近は茜といい懐かしい者によく会う!」
「……その……絡み……うざい」
ルイは嫌そうにセインの両手を右手で払う。
そして、先程からある疑問をセインに尋ねてみた。
「ここ……どこ?……どうして……セインが……いるの?」
「聞きたいのは我のほうだ。少年のお友達が気絶した君を抱えてきた時は驚いたぞ」
「私が……気絶……?」
ルイは頭を傾げる。
だが、ルイはようやく此処までに至った経緯を思い出したようだ。
「そうだ……弟さん……弟さんは……どこ?」
「少年のお友達かね? 彼なら満身創痍の重傷だったんでね、私が病院に連れて行ったよ」
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