◆~親友~後編◆

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「えっと……」 ルイは煉をちら見しそわそわしながら言葉を選ぶ。 煉が兄妹だったということを伝えたいのだが、恥ずかしいのとどう言えば信じてくれるのかを考えているのだ。 「えっと……えっと……」 「言いたくないんじゃないかな? それなら無理して言わなくてもいいから」 煉は微笑みながらそう言ってくれた。 しかし、言わなきゃ伝わらない。 「えっと……私は……斎藤で……妹で……お兄ちゃんなの……」 ルイは煉を指差しながらそう言った。 しかし、この場にいるルイ以外の者が首を傾げる。 今のでは断片的過ぎて全く伝わらない。 更に焦るルイ。 「えっと……えっと……あ!……あのノート!」 ルイは咄嗟に思いつき笑顔になるが、すぐに気がつく。 あの大学ノートは入院中の泰陽が持っていることに。 「うぅ……グス……」 「え!?」 「ご、ごめんね、私が変なこと聞いちゃって!」 いきなりルイが泣き出した為、煉は驚き、姫はすぐに謝る。 どう伝えていいか分からないルイは、悲しさで涙を流してしまった。
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