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「うぅ……助けてよ……セイン……」
ルイは振り返り、かつての仲間に涙目で助けを求める。
しかし、セインは眉間にしわを寄せ何を? とでも言いたげな表情になる。
「す、すまない。何をどう助ければいいのか、私には……お! 確かノートと言えば」
セインは羽織っているローブの懐から血まみれの大学ノートと茶封筒を取り出す。
「これを少年の友達に預かっていていた。少年に渡すようにとな」
その大学ノートをルイは指差し笑顔になる。
「それ!……早く!……お兄ちゃんに!」
「お、おお、わかっておるぞ」
セインは大学ノートと茶封筒を煉に渡した。
煉は長い椅子に座るとまず大学ノートを開き読んでみた。
「日記……?」
里奈とヒメも左右から覗き込み、大学ノートを読んでいく。
セインも気になるのか、煉の背後から覗き込んでいた。
煉が読み進めている間、ルイはそわそわしながら煉を見ている。
「僕の……お父さんとお母さんの日記?」
「そうみたいだね。煉の両親、あたし見たことないなぁ」
「そりゃあ、僕が覚えてないのを里奈が覚えてるわけがないよ。すごく小さい時だったんだし」
ルイはとにかく早く最後まで読んでくれという気持ちで一杯だ。
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