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そして、今では寝室として使っている部屋にセイン以外のみんなが集まる。
煉とルイは並んでベッドに座り、里奈とヒメは新しく買った小さな椅子に座る。
泰陽は机に寄りかかるような形で腕を組んでいた。
勿論、それぞれのパートナーもいる。
「ようやく揃ってきたね」
煉は嬉しそうにそう言った。
揃ったとは言わない。
何故なら孝地や啓吾、美雪がいないからだ。
彼らは必ず戻ってくると煉は信じている。
「それぞれ離れ離れになってた時のことは言わなくてもいいよね。大事なのはこうして生きてみんなといることなんだから」
煉がそう言うと、この部屋にいる全員が呟く。
煉が何故行方不明になっていたか、どうして泰陽はダークナイトとして行動していたのか、里奈とヒメは何故セイバーナイトに追われていたのか……それは所詮過程であり、今こうして再び巡り会えたのが結果なのだ。
だからこそ、過程の説明は省こうということだろう。
「勝手かもしれないけど、僕は決めた。和解を望んでいたけど、もうそれは叶いそうにもない。それでね、ちょっと荒っぽい方法を取ることにした」
そこでルイが話に加わる。
「ダークナイトの計画は再び実行されようとしてる。近いうちに……今度はもっと規模が大きいの」
「そしてセイバーナイトはダークナイトや僕から神の猫を奪おうと躍起になってる。そして世界を支配しようだなんて馬鹿なことを考えてる」
煉はそこでため息を吐きながら目をつぶり俯く。
そして、数秒黙った後、意を決したかのように顔を上げた。
その煉の目にはやはり只ならぬ意志と、力強さと、なにより期待したくなるような頼もしさが宿っていた。
「だからさ……」
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