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真実を言えば全員は離れていってしまう。
だが、言わなくても皆はいつか気づくはずだ。
「レン…」
焦燥感を帯びた優奈の声。
やはり言わねばならぬ時がある。
言わなかったらレンへの信頼すら消えるだろう。
「実は……」
15人の真剣な表情。
部がなくなってしまうよりも。
彼らの夢に満ちた表情を崩すのが一番苦しかった。
「彼らは全員……引き抜かれてしまった」
「え?」
信じられなかったのだろうか。
少し、空気に間が開いたような気がする。
「というわけでこの部には、もう俺しか……」
一番後ろの部員が立ち上がった。
彼は無言で立ち去っていく。
「あ……」
1人が立ち去ると、次々と立ち去って行った。
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