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「ちょっと待ってよ!みんなボクシングがやりたくてここにきたんだろ?」
「ですが……あの方たちがいないと」
最初にきた坊主頭の少年は意外にもミーハーらしい。
「だからみんなで練習して強くなるんじゃないのか?」
「目標がいないんじゃ…」
さらに1人1人と立ち去っていく。
それを引き留める権利なんてレンにはない。
「すごい方の下でなら頑張れると思ったんですがね」
「てか、アナタ誰なんですか?」
次々とレンに言葉が突き刺さっていく。
その言葉から身を守る方法もレンは知らない。
「弱小な所じゃ、やってく気なんて起きませんよ」
初心者には何か惹きつけるものが、なければいけないのだ。
だが、ただ1人が残ってくれる。
「君は……」
その子は深々と頭を下げた。
「すいません」
最後の子も部室から飛び出して行ってしまう。
部屋に残ったのはレンと優奈だけになってしまった。
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