新入部員を探せ

8/24
前へ
/28ページ
次へ
「ちょっと待ってよ!みんなボクシングがやりたくてここにきたんだろ?」 「ですが……あの方たちがいないと」 最初にきた坊主頭の少年は意外にもミーハーらしい。 「だからみんなで練習して強くなるんじゃないのか?」 「目標がいないんじゃ…」 さらに1人1人と立ち去っていく。 それを引き留める権利なんてレンにはない。 「すごい方の下でなら頑張れると思ったんですがね」 「てか、アナタ誰なんですか?」 次々とレンに言葉が突き刺さっていく。 その言葉から身を守る方法もレンは知らない。 「弱小な所じゃ、やってく気なんて起きませんよ」 初心者には何か惹きつけるものが、なければいけないのだ。 だが、ただ1人が残ってくれる。 「君は……」 その子は深々と頭を下げた。 「すいません」 最後の子も部室から飛び出して行ってしまう。 部屋に残ったのはレンと優奈だけになってしまった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加