廃部宣告

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「ボクシング部、廃部にするわ」 「は?」 外内レンは反芻したかったが、言葉が喉から出ない。 考えたら当たり前のことなのだ。 「我が亀田高校は、ボクシング部最強……だったのだ!」 過去形になるのは仕方ない。 今や亀田高校は引き抜きにあい、残った部員はレンだけに過ぎないのだ。 「ちょ!ちょっと待ってくださいよ!僕はどうなるんですか!」 「だから廃部なんだよ。引き抜かれた部員たちの名誉に傷をつけるわけにはいかないからな」 レンの弱さを校長は知っている。 公式試合では勝ったことは一度もない。 「そんな……何とかならないんですか!?」 レンが必死に食らいつく。 食らいつかねば、自分の居場所が消えかかってしまいそうで。 「1人で部活やる気なのか?」 多大な障害がレンの前に立ちはだかる。 今のご時世で、2年からボクシングをやろうなんて思うヤツはいないはずだ。 「運良く新入生が入るんだ。頑張って勧誘でもするんだな」
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