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翌日。
レンと優奈は共に学校に向かっていた。
これは割とめずらしい。
かなり久しぶりのことだ。
「部員集まってくれるといいね」
「ああ」
だが、レンの目元には隅が鎮座している。
不安などで眠れなかったのだろうか。
「元気だしなって」
「ごめん」
その謝罪は、今のことを謝ったのだろうか。
優奈には過去のことを、謝っているようにも感じられた。
「強豪高なんだから新入部員の5人や6人はくるって!」
「元、強豪高な」
「バカ!何ネガティブになってんのよ!」
頭を叩きたかったのだろうが、優奈の身長のせいで平手打ちになってしまう。
見えていたのだから、避けてもおかしくはない。
仮にもボクシング部員なのだから素人の一撃くらいは避けられるだろう。
けれども、レンは避けなかった。
「痛!」
「……あきらめちゃダメでしょ?」
レンはうつむくばかりだが。
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