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優奈の言うとおり、ネガティブになってしまうのはいけない。
未来はわからないのだ。
希望を持って何が悪い。
「よし、朝練だ!」
「頑張ってね」
優奈はとなりで薄く笑っている。
ただそれだけだ。
学校へ着くやいなや、部室に駆け込む。
すぐさま着替えて、サンドバックの前に仁王立つ。
「よし!今日も練習!」
朝のネガティブさを吹き飛ばすように、練習に打ち込む。
まるで過去から逃げるかのように。
こうやって、練習してる間は何も考えなくていいから好きだった。
そう思うとやはり廃部にはさせたくない。
それに松岡先生の帰ってくる場所を守る必要だってあるのだ。
「まだ練習してるのかね?」
ふてぶてしい声がレンの耳をつんざく。
「校長……」
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