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通りかかった校長は、嫌みったらしい笑みを浮かべている。
廃部が待ちきれないのだろう。
学校側だって弱小の部に、部費だって払いたくないはずだ。
精神的にも責めてくるつもりなのだろう。
だが、それを校長直々に行ってくるというのはいかがなものだろうか。
「校長って意外と暇してんだな」
校長にはきっと聞こえていない。
去って行った後、気にしていなかった嫌みが、レンの頭を渦巻き始めた。
「……クソ!」
足取りがおぼつかなくなり、練習をそうそうに引き上げてしまう。
「放課後に期待だ」
現実が辛いから、未来に期待してしまうのだ。
授業の間も、集まってくる新入部員のことばかり考える。
部の再興を夢見ながら。
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