10人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後。
優奈も部室にきてくれた。
「なぁに部屋で籠もってんの?」
「だって部員を待たないと……」
「外で宣伝した方がよっぽどいいわ!行くわよ!」
優奈に背中を押されるままに、ドアを開けようとした瞬間。
先にドアが開かれた。
「……ここがボクシング部ですか?」
「まさか、新入部員!?」
「希望です」
坊主頭の少年は、微かな笑みを浮かべてすらいない。
生真面目な顔つきが、誠実さを物語っていた。
「ま、座って座って!他に希望者がくるかもしれないから待ってて!」
優奈が用意した椅子に腰掛けてもらったのを確認するとすぐさま外に飛び出す。
するとこちらに大量の新入生が向かってくるではないか。
「やった!」
未来はレンの味方をしたようである。
希望はレンを裏切らず、未来へとつなぐ橋が今、かけられた。
最初のコメントを投稿しよう!