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「とか言ってみたけど…シオンの奴いねーじゃねーか」
フィルは下級区から騎士になった知り合いの連中から聞いてみたが任務が入ったとかでいないらしい
「ったく、オレ達下級区の連中は毎日防壁が壊れるか冷や冷やしてるっつうのに…中流区からの奴らは全く関係ね―みたいな顔しやがって…」
防壁を直す道具でも盗って帰ろと思った時、頭の中に歌が響いた
「何だこの歌…」
この世界の言葉ですらない歌に引き寄せられるよいにフィルは強く聴こえる方へと向かった
重く固い鉄の扉を開けると、これまでにない程に豪華で広い部屋であったが、まるで牢屋のように鉄の格子があった
そして鉄格子のある窓から小鳥と戯れているアクアマリンの腰のあたりまである長い髪の女がいた
小鳥が部屋に入っていき、フィルの方へ来た
女は小鳥が行った方向…つまりオレのいる方へ向いた
「……!」
女は黙っていたが驚いているようだった
年齢はまだ十八歳位の少女で瞳は吸い込まれそうな程綺麗な瑠璃色、そして手首には頑丈過ぎる位の金の手枷には繊細な模様が彫り込まれていた
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