第1章「新学期」
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「行ってきま~す」 俺は玄関先から台所にいる母に向かって声をかける。当然のように、 「行ってらっしゃい」 と奥から声が返ってきた。 いつもと変わらない朝の風景。 ただ、今日はいつもと違い、 「私も遅れないように行くからね」 と一言付け加えられた。 そう、今日は高校の入学式なのだ。 さすがにこの歳になると母と一緒に学校へ行くのは抵抗があり、それを知ってか母も後から行くからと言ってくれた。
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