第1章「新学期」

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「鳳緋呂人(おおとりひろと)、鳳、鳳…」 こういう時、自分の名前が特徴的だと見つけやすい。小学生の頃は名前を書くのが大変で、よく両親に文句を言っていたもんだ。 龍川も自分の名前を見つけたらしく、 「見つかったかー?」 と言いながら、こっちに向かってきた。 …頼むから、人波の中ででかい声かけるなよ。 「見つけたよ。どうやら別のクラスみたいだな」 「ま、8クラスもあれば当然か。あ、でも蒼司とは一緒になったぞ」 天城蒼司(あまぎそうし)。龍川と同様に中学1年からの友人だ。物腰は柔らかいが、皆の中では一番しっかりしていた。龍川が皆のムードメーカーで、天城がリーダー役。これが俺達の定番だった。
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