第1章「新学期」

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「じゃ、また後でな」 「おう」 龍川に答えて、俺は教室へ向かった。今日は入学式をやり、簡単にホームルームをして終わりのはずだ。午後からはいつものメンバーで遊びに行くことになるだろう。 教室に入ると、やっぱりほとんどが見知った顔だった。軽く挨拶を交わしながら自分の席を探していると、 「鳳、アンタの席、ココだよ!」 と、後ろから声がした。急にかけられた声に驚き、そちらを振り向くと、よく知った顔を見つけた。 「コッチだって、コッチ」 「聞こえてるし、わかったから大声出すなって」 水町華音(みずまちかのん)。数少ない、俺の女友達だ。
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