クジャクソウ

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だから髪型くらいしか 分かんなかったけど 「どうする? 車の中にいる?」 「そうする 車の中で見てるよ」 「わかった …あ、いた」 言われて見てみれば あの時の背の高いやつと 後ろを向いてる男 「背の高い人、昨日来てた」 「そうみたいだね 俺は仕事の事言ってないから 会いにはいけなかったけど」 車を止める姿は見慣れたもので 降りた飯田に手を振った 何か楽しげに話してる その時隣にいた男の顔が見えた 前髪の長い男 昨日の男だ… 車の中の俺に気付いたのか 笑いながら頭を下げた その瞬間どきっと胸が跳ねた 飯田の恋人の、友達 近いようで遠い存在 …あの男にもっと近付きたい ドアに手をかけた時だった -ガチャ 「お待たせ、行こうか…?」 何か変だと感じたらしい飯田 「どうかした?」 「…いや」 聞いてしまえばいいのに 何故か隠してしまった …まだ、認めたくない .
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