サネカズラ

2/6
前へ
/86ページ
次へ
飯田が好きな歌手の歌も 流れる景色も 頭の中に入ってこない …俺らしくない 脳内を占めるのが 一人の男なんて 近付きたい 認めたくない 忘れられない いろんな思いが重なって 離れてくれない 「もうそろそろ着くけど …大丈夫か?」 「えっ、何が?」 「ぼーっとしてんぞ? 大学出てからずーっと あ、もしかして…恋ですか?」 馬鹿にするように 飯田が笑う 「なっ、違うし」 「ふーん」 にやにやと俺を見た飯田は その言葉を疑っているとしか 言いようがない目をしてた .
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

741人が本棚に入れています
本棚に追加