第壱話 転校生

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時は巡って昼休み。 お腹を空かせたベイビーと会長の最も至福な時間である。 「真希ってさ、私たちいっつも思うんだけどさ、ふっつうぅにしてたら凄くモテると思うのにな」 口周りの汚れを気にしないほどスパゲティにがっつく食べ方を横に見ながら友達αが言った。 「本当本当私も本当思う。普通にしてればカワイイのに」 本当、が口癖の友達βが、某人気ロボットアニメのヒロインのコスプレをした会長に言う。 「一発たりとも核をプラントに落としてはなりません」 ピンク色の髪をなびかせて劇中のセリフを発すると、満足したようにスパゲティを再び口に運び込む。 「これがなければねえ」 「本当カワイイ、のに」 とαβ。 「でも似合ってるでしょ? ラスクだよラスク、分かる?」 「何となく分かるけどさ…」 「…私たちが言いたいのは、なんかこう、近付き難いっていうの…なんつうか、ほら私たちは女子同士だからあれだけど、男子からしたら声掛けにくいよ」 「いいもん、どうせ私はガンダムのパイロットとしか結婚しないから」 「あらら」 「全く…本当…」 呆れたαβは自分の食事に戻る。
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