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「ロゼ王女様。昼食の時間でございます」
この声は、ロゼの使用人だな。ロゼは「ちょっと待ってて下さい」とドアの外にいる使用人に向けて返事をした。
「まぁ、丁度いい。依頼の話は引き受けた。俺はこの辺りでずらかるとするよ」
「あ、リデッド!」
俺はロゼに振り向く事なく、部屋を後にした。
外に出ると、直ぐ側に眼鏡をかけ、髪を後ろで一つに纏めた中年の女が、こっちをきつく睨んでいた。
「あら、リデッド様。ご機嫌うるわしゅうございます」
「あぁ、ご苦労様」
そう行って俺は早足でその場を後にする。
「ところで、リデッド様はロゼ王女様のお部屋で何をしていらっしゃたのですか?」
しようとしたが、背中から圧倒的な威圧感を感じて足を止めた。
背筋に冷や汗を感じながら俺は振り向いた。
「いつもの仕事の話だ。あんたが心配するような事じゃないから安心しろ」
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