ありふれた日常

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「ピピピッ!ピピピッ!…」 ?『!!』 「バコッ!!」 ?『ぐわぁ~…ふぅ~…』 いつもの朝の いつものうるさい目覚まし時計に叩き起こされて 年齢はおよそ30歳くらい、見た目怖そうに見える大きく黒く光る二重の目を擦り、高い鼻から深く息きを吸い、白い歯が印象的な口から「ハァー」と息きを吐き出す、背中まである男にしてはわりと長い黒髪をかきむしり、180㎝はある体を仕方なく起こす とたんに軽い吐き気と軽い頭痛 男『…昨日は飲み過ぎたかな…』 毎朝の事にすでに慣れてはいるがダルイものはダルイ うっすらと生えた無精髭を擦りながら壁のスイッチを押しカーテンが自動で開いて行くのを確認するとヨタヨタと風呂場へ向かう 風呂場と言うよりはシャワールームと言った方がいい感じの鏡の前に立ち 自身の冴えない顔を見ながら頭から少し冷たいシャワーを浴びて無理矢理に思考を叩き起こす 朝風呂の軽い作業を一通りをこなし ズラリと並ぶ有名ブランドの入ったクローゼットから今日の気分に合うスーツやシャツに身を包む… …1時間弱過ぎる 一般的な出勤前の慌ただしさの欠片も見せずにマイペースな身仕度を淡々としていられるのも 自身がオーナーシェフを務める店への出勤から来るゆとりか どんな時にも姿形に拘りがあるからなのか 答えは後者 男の性格は昔で言うならば頑固者 現代で言ったとしてもあまり良いとは言えない性格 しかし男の拘りは仕事や趣味に止まらずその生き方の隅々までの拘りよう 懲りもせずに毎晩の深酒 軽い二日酔いなんか毎日だから…365日酔い? 年間500本以上も飲むワイン関してだけ言えば一流ソムリエのレベル そのくせ早朝からの仕事 平均睡眠時間は4時間くらい 自身で選び抜いた拘りのコーヒーを煎れながら、壁に掛けてる大型テレビを付け、これまた拘りのアンティークソファーに腰を降ろし新聞を開く 気になるニュースや記事に目を落としながらもコーヒー2杯目を入れる まったくと言っていい程のマイペース! そんな男もこれまた拘りの腕時計に目を向けようやく出勤の様子 男『ふぅぁ~…そろそろ行かないとな…』 リビングから少し歩きガレージへと出てこれまた拘りの車に乗りエンジンスタート! 正面のディスプレイの現在の時間は… …朝の7時キッカリ!
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