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約束の時間ギリギリに、待ち合わせ場所〈Frenchcafe bistro〉へと到着する。
その入口では、マリーナがしかめっ面で腕時計を確認しながら、仁王立ちしていた――。
「ゴメン、マリーナ!!
準備に手間取っちゃって――」
「どうせ宿舎でビールでもかっ喰らって、忘れてたんじゃないの?」
(うっ、図星…。)
取り繕おうと必死な私を、ジロリと横目で睨む彼女。
こういう威圧的な所は、やっぱ司令官に似てる……。
(しかし司令官秘書の時とは、えらいギャップを感じるんだけど――。)
「なんかいった?」
私の心を見透かしたように、問いただす彼女。
私は誤魔化すように、フルフルと首を横に振る。
「もぅいいわ……。
取り敢えず店に入りましょ!」
呆れ顔の彼女に私はカクカクと首を縦に振り、マリーナに付き従うように店内へと入っていった。
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