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澄み渡る空――。
こうして雄大なる空を飛んでいると、下界での全てを忘れ気分がとても高揚してくる。
この〈ブザー〉の警告音が無ければだが……。
「零(ゼロ)!
アンタの担当でしょ。
このビービー喧しい警報を、ナントカしなさいよ!!」
コンソールボックスをぶっ叩いて、無理矢理止めようと悪戦苦闘中の私――。
「葵(あおい)が無茶な回避行動を、取ったからじゃないですか……。
それと無理矢理叩かないで――。
墜落しますよ!」
私の、憤慨と行動を受け流すモニター越しの美少年――。
「アンタ生意気よ!
只のコンピューターのくせに!!」
私は、モニターに映る擬人化システムアドバイザーと呼ばれる、コンピューターの零(ゼロ)に喰ってかかる。
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