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「周りから火が出てるぞ。
消化班、準備急げよ!!」
サイレンを鳴らしながら機体を取り囲み、消化活動する車の脇を、私はヘルメットを脱ぎ歩き出す。
亜麻色の長い髪が、夕暮れの涼しくなった風に靡いている。
「ハァー、早く宿舎に戻ってシャワー浴びたい……」
独り言をブツブツと呟きながら、宿舎に向かい歩こうとすると、赤毛で縁無しの眼鏡を掛けた女性が私の視界に入ってきた。
彼女の名は
マリーナ=神崎
(かんざき)
司令官秘書にして、私の親友だ。
「葵、司令官が呼んでるわよ。
作戦報告及び新規任務の通達の為、司令部へ出頭なさいって」
(うゎー、ツイてない――。)
マリーナの乗ってきた車に便乗し、司令部へと向かう事となった……。
私の名前は、
葵=花咲
(あおい=はなさき)
痛む頭を押さえながら、司令官に今回の結果をどう申し開きをしようかと考え中の美少女パイロット。
それが私――。
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