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「お父さん…………」
名前を呼ばれたアルは、やっぱりいつも通りの独特の雰囲気を醸し出している。
アムさんは、アルに飛びつくように駆け寄って行った。娘を大事に思うアムさんの姿を見て、俺は少し大きめに言う。
「アル、約束は覚えてるな」
「……うん」
アルはコクリと頷いて、アムさんの服を引っ張った。
「ちょっと……手伝って」
「なっ、なにをだ!?」
アムさんは少し……いや、かなり動揺してアルに訊ねた。
「一体……どんな条件なんだ? まさか、奴隷とかじゃない……よな?」
アムさんの動揺する様子の意味がわからないみたいで、アルは首を傾けていた。
「違う……レンは戦ったらお腹空くから……何か作ってくれって頼まれた」
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