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ある晩、俺は生い茂る草木を掻き分けて、野山をただ一人歩いていた。ここ数日は、何も口にしていない。だから、腹ぺこだ。
早く何かを見つけて食べたいと思った時に、一つの灯りが目に入る。それは、火のような灯りだ。
近付くと、見るからに盗賊のような格好をした奴等が、数人で火を囲み話し合っている。
「次はどの村にする?」
「そうだな、スナブリュなんてどうだ?」
「スナブリュ? ここからちょうど真北にある集落か?」
「そうだ、あの集落は何故か知らんが魔法を使えない奴らばかりらしいぜ」
「なら俺らは圧倒的に有利じゃんか!!」
盗賊の話を聞いた俺は、近くに集落があることを知り、そこに向かうことにした。
別に、盗賊から集落を守るつもりはない。ただ、行こうと思っただけ。
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