親が恋しくて何が悪い!?

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俺は一晩中歩いたが敵は現れずに未だに湖は左で集落は右のままだった。 「どうしたものか…………」 その時だった。 集落の方から叫び声が聞こえた。 「いたぞぉ!」 「はっ!?」 男が俺を指差して叫んでいた。 いたって俺のことか? ならばあの男が敵なのか? 「我らの救世主だぁ!」 …………救世主?ってことは………… 「レン!」 女の子が俺に向かって走ってきた。 「アル!?」 アルは俺に思いっ切り飛び付いた。 俺は受け止めるようにアルを抱き締めた。 「なんで!?」 「なんでって何がだよ」 アルが珍しくはっきりと喋っている。 感情的な時の人間ほど必死になるみたいだからもしかしたらアルは強い思いを持って喋っているのだろう。 何に必死なのかはわからないけど。
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