親が恋しくて何が悪い!?

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「……うん」 アルは顔を赤らめ目を閉じ俺に身を任せるように倒れ込んだ。 信頼されちまったみたいだな。 こんな俺なんかをな。 「アルが俺をどう思ってるかわかった。けど旅を止める訳にはいかない。だから俺は行くぜ」 アルは残念そうに下を向く。 気のせいではないくらいアルの顔から水が流れ落ちている。 地面に水滴が二カ所ある。 「そんなに俺と一緒にいたいなら着いて来いよ。戦闘向きじゃなくても魔法は使えるからそこまで足手まといにはならないだろ? それにいつも弓矢を持ち歩いてるし最低限の戦力はあるだろ?」 「…………」 アルは驚いたような表情で俺を見上げる。 「……いいの?」
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