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翌朝、俺は空腹ながらも一晩中歩き続けれて、ようやくスナブリュと言う集落らしき場所まで辿り着く。その集落は、人気がなくもぬけのからと言う言葉を体現しているような感じがした。
「……食料」
脳が無意識に食べ物を探す。すると鼻をくすぐるいい匂いがした。
「誰かが何か作ってるのか?」
俺は匂いのする方に足を運ぶ。とにかく何かを食べたい。匂いはある家の中からして来た。
「…………」
家の中を覗くと、若い女の子が料理をしている。女の子は藍色の髪にショートカットで、大きな瞳は薄い緑色をしていた。
そして女の子が俺の気配に気付いて、こっちを見る。
「…………」「…………」
お互いに見つめあっている。あっちは俺が誰だかわからないので、困惑しているみたいだ。こっちはこっちで、なんて言おうか迷った末に…………
「初めまして」
普通の挨拶をすることにした。
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