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アムさんは苦い表情から、意志の強いキリッとした表情になった。
「私は闘うよ。アルも集落も私の手で護るんだ。私の掛け替えのない家族と、掛け替えのない仲間だからな」
「へえ~~……つまらない解答だな。じゃあ、どんな闘いになるか見物しようかな」
俺がゆったりとしていることに、アルもアムさんも何も言わない。
「邪見にしないんだな」
「元々、君はここの人間でもないし、雇われ兵でもない。戦ってくれないなら、ただの旅人だったですむだろ。君を邪見にしたら、状況がよくなる訳でもないしな」
アムさんはそれだけ言って鍬を持って家を出る。
「これから盗賊がくるのか?」
「……違う……畑」
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