落ちこぼれと紅い焔

2/24
前へ
/199ページ
次へ
爆音が突如響き、辺りは煙で何も見えなくなった。 「藍元!!何度やったら気が済むんだ!」 「ふぇ~すみません」 やっと煙が晴れた頃、現れたのは八坂教官と、髪の毛が乱れた私がそこにいた。 「ここまでやって成功しないなんてある意味才能だな」 「褒めてるのかけなしてるのか解らないんですが」 「勿論、けなしてるに決まってるだろう」 「……………」 「大体お前は何であんな初歩的なこともできないんだ。魔法球は属性の判断材料になるってのに…。未だに属性が解らないのはお前ぐらいだろうな」 「うう…」 「まずは形状を維持することから始めろ。それがなきゃ何もできな…」 教官の言葉が途中で途切れてしまい、私が地面から顔を上げると彼は眉をひそめていた。 「八坂さん?」 数秒後、私に気づいた彼はどこかめんどくさそうに見えた。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加