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「…僕の…夢?…」
当時、彼の一人称は“僕”だった。その時の僕は混乱したことを覚えている。
彼の夢は“大人になったら公務員になってこの国に貢献したい”
そのような夢であった。
残虐性のカケラもない。むしろ、正反対だ。
それともこの薄気味悪いローブの老人は最近、天下りがどうのこうの問題になっている官僚が気に食わないのだろうか?
そう思った彼だが、考えを改めた―
―第一、こいつが僕の心を読めるわけがない―
人の心を読むことを読心術とかいうらしいがそんなこと小説の中でのことだ。
そう思った彼は見当違いなことを言う老人に自分の夢を聞かせることにした。
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