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「いいじゃん閣下、決闘、受けなよ」
「…ついにイカれたか」
「違うわ!」
閃光一閃、降り下ろされるハリセン。
「これで閣下が勝てばもう付きまとわれずに済むでしょ?」
…そして閣下が、この程度の奴に負けるはずがない。
「そうだな」
閣下が、不敵に笑う。
虚空から現した長刀を握って、本当に愉しげに。
「…お前をボコボコにするのも久しぶりだな、正幸」
刀に、漆黒の闇が集う。
「…お前用に組んだ、この魔法を使うのも」
凝縮していたそれが、不意に膨張を始める。
「さぁ、お前に刻まれた総ての痛みを思い出させてやる!」
広がった闇が、久田君を飲み込んだ。
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